初めてのジャケット、トラウザー選び その2

その1 https://www.sailfast.jp/blog/p=6491


前回は初めて選ぶにあたっておすすめの商品を紹介しましたが、今回はそもそも何を基準に選ぶかについてお話します。

キールボート向けのアウターを選ぶにあたってポイントとなるのが、生地の種類、ウェアの形状です。


生地の種類

一般的にセーリング用のアウターには、外からの水は通さず内側の湿気を逃がす機能を備えた、防水透湿素材を使っています。

防水性もさることながら透湿性もアウターにとっては重要で、透湿性が高ければ高いほどウェアの中の汗が短時間で乾くので、中が蒸れたり汗冷えのリスクを減らす事ができます。

この防水透湿素材にも材質や仕組みなどによっていくつか種類がありますが、生地の構造で大まかに3レイヤーと2レイヤーに分かれています。

 

・3レイヤー防水透湿素材

1層目が一番外側のシェルとなる層(ナイロン、ポリエステルなど)、2層目が防水性と透湿性を併せ持つメンブレンの層(TPU、PTFEなど)、3層目がメンブレンを保護する裏地の層の3層構造になっている生地です。

コストは高いですがメンブレンと裏地の組み合わせで透湿性と強度を両立できるので、3レイヤーの生地を使ったウェアは透湿性に優れた軽いものが多いのが特徴です。普通のGORE-TEXもこれにあたります。

Zhikで言うとOFS800のeVentCST500のAROSHELLファブリックINS200のVectaがこの構造を採用しています。

 

・2レイヤー防水透湿素材

3レイヤーから3層目の裏地を省いた生地です。生地自体のコストは抑えられますが、一般的にメンブレン自体が分厚く透湿性が低いです。

メンブレンを保護する目的で服の裏地としてメッシュ生地などがライニングされるので、結果的に3レイヤーのウェアと比べて軽さ、着心地、透湿性に劣りますが、裏を返すと裏地があって分厚いのでウェア自体の保温性が高いとも言えます。

ZhikでいうとOFS700INS100がこの生地を使用しています。

 


ウェアの価格のうち生地の値段が大きなウェイトを占めているので、3レイヤーの防水アウターは高性能ですが、価格も高くなってしまうということです。

高価なアウターは温かい?

アウターについてよくある勘違いの一つに、高価なウェアは温かいというものがあります。

上記の通り高価なウェアには透湿性に優れた素材が使われているので、ウェア内の汗が素早く蒸発する≒通気性が高いと言えます。

なのでむしろ高価なウェアになればなるほど保温性は低くなっていくことになるので、保温性についてはインナーで確保していくのが正しいレイヤリングです。

長くなってしまいそうなので、ウェアの形状については次回お話します。


次回 その3 https://www.sailfast.jp/blog/p=6528