PFDとライフジャケットについて
セーリングでの必需品となっているPFDやライフジャケットですが、国内で普通に入手できるものでも様々な規格や種類があります。
少し細かい話にはなりますが今回はこれらを改めて整理、解説していきたいと思います。
PFDとライフジャケットについて
混同されがちなPFDとライフジャケットですが、ざっくりと分けるとPFDの中でもある規格を満たしたものをライフジャケットと呼ぶことが多いです。
PFD (Personal Floating Device)

PFDは日本語に訳すと個人用浮力補助具となり、一般的なセーリング用PFDはこれに当たりますが、広い意味ではプール用の浮き輪もPFDに当たります。
ただ浮き輪ではセーリング中の安全を確保できないので、多くのディンギーレースではISO(国際標準化機構)が定めたISO12402-5という規格に適合したPFDを着用することが求められており、Zhikから販売されているPFDはすべてISO12402-5を満たしています。
具体的な例としては470やスナイプのクラス規則だけでなく、ウィンドサーフィンのテクノ293や国内の外洋特別規定 附則B(インショアレース)でもこの規格を満たすPFDが要求されています。
もし手元のPFDがISOを満たしているか確認したいときはCEマークの有無で見分ける事ができます。ZhikのPFDの場合背中の内側に刻印があり、どんな規格を満たしているかやメンテナンスについて、適合体重等も記載されているので是非一度確認してみてください。
余談になりますがISO12402には様々な規格があり、-5は岸辺に近く容易に救助ができることを前提にした規格です。外洋向けにもISO12402-4〜 -2まであり、用途や要求される規則に応じてPFDを使い分ける必要があります。

ライフジャケット (救命胴衣)

レスキューボート等の小型船舶に乗船しているときに着用が求められているのがこちらの方で、オレンジ色や黄色のベストタイプや少し高価な膨張式のライフジャケットが当たります。
日本国内でライフジャケットとして認められるには国の安全基準を満たすことが求められるため、適合している製品には上記の桜マークが刻印されています。
注意しなければならないのが前述のISO12402-5と国の安全基準は異なるので、セーリング用のPFDはほとんどがライフジャケットとして認められていません。これはZhikのPFDも同様です。
参考:国土交通省 ライフジャケットの着用義務拡大
https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr6_000018.html
レスキューボート乗船中はPFDの着用は違反?
ここまで読んだときに疑問に思う人もいると思いますが、部活動の最中にレスキューボートに乗船している時にZhikのPFDを着ることは法令違反となるのでしょうか?
答えは違反にはなりません。
正確には条件付きで認められているのですが、JSAFの下部団体の学生ヨット連盟に所属する大学ヨット部の活動では問題ありません。
セーリング競技の性質上、桜マークのライフジャケットを着用していると競技に支障をきたすので国土交通省が条件付きで認めているのですが、気になる人は下記資料を読んでみてください。
参考:JSAF普及指導委員会 ライフジャケット義務化について
https://www.jsaf.or.jp/fukyuu/2020/04g.lifejacket%20gimuka.pdf
ちなみに動力の無いディンギーは国土交通省のライフジャケット着用義務の範囲外ですが、安全なセーリングのために必ずPFDは着用するようにしましょう!
