Gottifredi Maffioli

カテゴリー BUSINESS

僕は自他共に認めるロープマニアです。学生時代からロープにこだわりが強くて、クラブのフネでも自分でじゃんじゃん気に入ったロープに換えていくタイプでした。470で海外を転戦するようになったら、世界には自分の知らない素晴らしいロープがあることを知り、さらに深みにハマっていきました。

だって考えてみてください。ディンギーに乗っている時、手に握っているのはティラーとかスピンポールを除いて、ほとんどロープのはずです。ヨットに乗るということ即ち、ロープを握ることともいえます。メインシート、ジブシート、スピンシート、バング、カニンガム、ツイーカー、アジャスター等、それぞれのロープには求められる特性が違い、最適なロープも違います。

究極のジブシートや究極のスピンシート、究極のアジャスターなどを求めて世界中のロープを試しました。ニュージーランドのドナジーや、アメリカのサムソン、ドイツのリロス、オーストリアのロブラインなどなど。どれも国内で売ってるロープより断然良かった。良かったんだけど、究極ではなかった。

そして僕の究極のロープ探しは、マフィオリという終着駅に辿り着きました。ゴッティフレディ・マフィオリは、アメリカスカップやボルボオーシャンレースなど、究極のヨットレースの世界で圧倒的なシェアを誇る、まさに究極のロープメーカーです。オラクル対アリンギの対決が盛り上がった時も、ロープはマフィオリ対マフィオリでした。

僕はあの前回のACが開かれる1週間前に、イタリア・ノヴァーラにあるマフィオリの工場ですごいモノを見たんです。それはACに向けて出荷前の、ジェネカーのラフコードです。40メートルはあろうかという、直径15ミリくらいの真っ黒いチューブに包まれたロープ。その端を持って、戯れにクルッと180度回したら、なんと40メートル先で反対端が同時にクルッ。うそ!?マジで?何度試しても、両端がまったく同時に動くんです。これがロープマニアにはたまらない!

AC45でもジブやジェネカーをファーラーで巻き取る映像がよく流れますが、直接巻いてるのは下のドラムだけなんだから、上はついて回ってるだけなんですよね。だからラフコードが伸びちゃったらファーラーを巻いてもピークが全然巻けないことになっちゃう。タックとピークを同時に回そうと思ったら、ラフコードは絶対に伸びちゃダメなんです。そして40メートルも50メートルもあるラフコードでそれを実現できるのは世界でマフィオリだけなのです。

そんな世界最強のロープメーカー、マフィオリのラインナップは、ロープのコア、外皮、打ち方、サイズ、色など含めると数千通りにのぼります。弊社はその中で価格と性能のバランスが最適なタイプを選び抜いてストックしています。例えば470のジブシートにはOlympic75の6mm。アビーム470チームやSPN、関東自動車などのジブシートは全艇このOlympic75です。なぜか。

  1. 伸びない – DSK75ダイニーマのコア
  2. 摩擦に強い – HTポリエステルという熱処理された外皮
  3. つぶれない – プライが詰まっていて、ロードがかかってもちゃんと断面が丸い
  4. 最適な重量としなやかさでコントロールしやすい

ジブシートって最も伸びちゃいけないロープなんです。なぜならカムから手元の距離が最も長いから。470でトラピーズに出た手元から、風下のカムまでは2メートル以上あるので、パフでカムを切ろうと思っても、ロープが伸びるとカムに力が伝わらずにうまく切れません。1センチ引けば1センチ動く、切りたければすぐ切れる。当たり前のことがとても大事なのです。また、スナイプではウィスカー張ったリーチングでジブを安定させられるかで差が出ます。

摩擦の強さも重要です。いまどきのロープのコアは、ディンギーの負荷で破断することはまずありません。ロープがダメになるのはほとんどの場合、外皮がカムやラチェットで擦り切れるパターンです。摩擦に強くするには外皮を厚くするのが一番確実ですが、そうするとその分コアが細くなり伸びてしまいます。逆に伸びないようにコアを太くし過ぎると外皮が薄くなり、摩擦ですぐに擦り切れてしまいます。このさじ加減がロープメーカーの腕の見せ所であり、マフィオリのロープはまさに絶妙のバランスなのです。

また、断面がちゃんと丸いというのも非常に重要です。ロードがかかった時に四角や楕円に潰れるロープはクリートが外しにくく、捩れてキンクしやすいという問題があります。マフィオリのロープが最も優れているのは、この断面形状の安定性。ロープの断面が丸いなんて当たり前のようですが、実は探してもなかなかないんです。

アビーム470チームによれば、それまでのジブシートは通常2週間、ひどいときは3日で交換しなければならなかったところ、Olympic75の6mmは3ヶ月以上使えるそうです。ラジアルの選考をトップ通過した土居愛実選手のメインシートは同じOlympic75の7mm。また5月のワールドで国枠を目指す49erの牧野/高橋組もマフィオリの愛好者です。

あー、いい加減長くなってきたからここらで止めますね。ロープのこと書き出したらキリが無い。興味のある人はぜひご来店ください。今日もいくつか新しく入荷しましたが、中にはDSK90 Race DYCO 8mmという、キールボート向け最強のハリヤードロープがあります。もちろんスプライスしての納品も可能です。

いいロープは、やっぱりいいんです。全然違う。ぜひ多くの人にこの違いを体感してもらいたい。ロープに関する相談やご質問はお電話でもメールでも、いつでもお問い合わせ下さい。

コメント

コメント(4) “Gottifredi Maffioli”

  1. makitaka

    Novaraにそんな素晴らしいロープメーカーがあったんですね! ミラノに住んでいた頃は、Novaraには毎月、米の買い出しにいってました(^^)

    返信

    • 通りがかっても、まずロープ工場だとは気づかないと思いますよ。ミラノではいつも渋滞に泣かされます。住んでる人はもう慣れっこなんでしょうね。

      返信

  2. CUE

    突然のメールすみません。
    チェコのラネックスというメーカーのロープはどうでしょう?
    今期のオリンピックとかでも使われそうでしょうか?まったく情報が無いのでご意見・評価を知りたいです。

    返信

コメントする




«   »