辛抱たまらん

カテゴリー SAILING

危惧していた通り、辛坊さんとHIROさんが救助されたことについて、計画が無謀だっただの、24時間テレビのための企画だったんじゃないかだの、出航前にきちんと整備しなかったんじゃないかだの、批判が湧き起こっているようです。

しかし、公式サイトに公開された映像から、沈没は海洋生物か漂流物に衝突したことによる浸水が原因だと明らかになりました。つまり計画や本人たちの技量とはまったく無関係の不幸な事故だということです。

なのになぜこれほどの批判に晒されないといけないのか、僕には全く分かりません。フネが沈没し、チャレンジが頓挫し、最も辛い思いをしているのはご本人たちなのに。あまつさえ救助にかかった費用を個人で負担するべきだなんていう論調もある始末。あんたら、何をいってるんだ??

今回の海難救助は海事法や自衛隊法に則った救助活動であり、被救助者に費用負担の義務はありません。法律もそうですが、海の上で危険な状態にあるものは、誰であろうと救助にあたるのが船乗りなら当たり前のことです。シーマンシップアカデミーでも子供たちにいつもこう話します。「船乗りなら、自分の命は自分で守れ。海に出た以上は何が起きても自己責任だ。ただし、困った人が近くにいれば全力で助けてやれ。それが船乗りの心意気、つまりシーマンシップなんだ」と。

救助にあたった自衛官や保安官は飛行艇とはいえ、れっきとした船乗りであり、最善を尽くして救助にあたることに何の疑問もなかったはずです。彼らは身を挺して救助にあたることが仕事であり、最大の誇りでもあるでしょう。だからこそ辛坊さんに名前を聞かれても名乗らなかったのだと思います。

燃料代などで1,000万円ほどかかったとか言われていますが、この事故がなくても彼らは普段から訓練でたくさんの燃料を消費していますよ。その燃料代に文句をつける人がいますか?彼らが訓練しているのは、まさにこういうときに人命を救うためであり、結果的に2人の命を救ったわけですから、まったくもって理に敵っているわけです。誰も責めを負うべき人などいません。

生還を喜ぶどころか費用負担を強いるなんて、とても悲しい気分になります。どんだけ心が狭いんだと。

全盲のセーラーが太平洋を渡るという挑戦が成功していれば、多くの障害者を勇気づけていたことでしょう。テレビ番組の企画だからどうだとか、辛坊さんが自己責任論者だからどうだとか、彼らが挑んだ大海原に比べてあまりに小さい問題です。我々船乗りは、この論調にNO!と声をあげるべきじゃないでしょうか。辛抱たまりません。

コメント

コメント(19) “辛抱たまらん”

  1. 小川雅澄

    ほんとうに、おっしゃる通りだと思います。一小市民船乗りとして、同感です。
    しらんやつが、ぐじゃぐじゃ言うな!って感じです。
    一市民が、チャレンジした、事故にあった、事故から救出した、それだけなのではないでしょうか?
    我々も、個人の責任として船にのりますが、万が一事故の際は、みんなで救助するのは当たり前のことではないでしょうか?
    一小市民船乗り・・・・

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  2. 後藤さんの見解に賛同します。

    さまざまな意見があること自体否定しませんが、発言者が自己の存在を隠す形での発言は認めたくありません。

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  3. まったく、その通りであると私も思います。
    シーマンシップとは何かをもっともっと一般の人に知って頂きたい。

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  4. 繁田慎吾

    全く同感です。
    政治的な反感があったとしても、この事故とは全く関係の無いことこれらを混同して批判するのは大きな間違いだと思います。
    さらに、自民党の一部政治家はこれに同調して無謀な計画などといい、辛抱さんに事情の説明を求めているとか・・・いやはや困ったものです。

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  5. nori

    僕も自分のブログに引用しましたが、ある方がご自身のブログに書いていた事です。

    プライベートで東北方面にドライブに行きました。突然余震で道路が前触れもなく陥没し、車がそこに落ちました。乗員は無傷で消防に助けられました。

    というのが事故の例え。

    で報道は

    『ドライブに行くのが無謀、消防のレスキュー費用は税金なのに!』

    って言っているようなもんですよね?

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  6. y.iwase

    ワイドショウで、税金使うことの是非を問うてたけど、賛同派も、「したかたが無いから・・・・」が、多かった。

    「当たり前です。・・・」と言い切る、教育を望みます。国家として。

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  7. 櫻木 康史

    今回の事で,辛坊さんが批判を受ける事はないと思う.それより、うみにかこまれながら、うみのるーるをしらないにっぽんじんがはずかしいし、マスコミももっと考えて報道すべきだと思います.海に関わる人は、今こそ、声を上げるべきだ!

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  8. Masao Hirota

    まったくその通りだと思います。

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  9. Mio

    definitely agree with you

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  10. Morishita Kunimasa

    日本社会の歪んだ価値観の典型ですね。何もかも一色端でしか物事を図れないそんな国に何時からなったのでしょうか?亡国のなれの果ての様な気がしています。

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  11. 柳沼正憲

    ここで述べている方々の意見全て同意します。辛坊さん、良き判断、よく帰って来てくれた!と言ってあげたい。

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  12. みなさんご意見ありがとうございます。
    FBにも書きましたが、この事故が仮にアメリカ領海で起きていて、ネイビーかコーストガードに救助されていたら、アメリカ国民は税金を返せと言うでしょうか?僕はそうは思いません。

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  13. 通行人

    批判に晒された理由は、辛坊氏がイラク人質事件の際にテレビで「自己責任」を主張していたとされているからです。
    http://www.youtube.com/watch?v=gzsx6cXzwQ4
    シーマンシップ?とか関係無い話ですよ。

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    • 海の上では、人種や思想信条によらず助け合うのが常識なのです。陸の上の道理を持ち込まないでください。

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      • 通行人

        お返事ありがとうございます。
        陸の上でも助け合うのが人類としてあたりまえですよ。海だとか陸だとか「あまりに小さい問題」です。今回救助されたのが、辛坊さんだったからこそ、批判が多かっただけに思えますが。

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        • 「誰が」救助されたかというのが一番小さくないですか?ヨット乗りはみな2つの命が救われたことを喜んでいます。

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          • 通行人

            「誰が救助されたか」というのが今回の批判の最も大きな原因だと考えます。
            「一小市民」が救助されても、批判も起きませんし、報道もされないかもです。

  14. yos

    なぜ過剰な批判を政治家から受けるのかは辛坊さんが一番わかっているはず。職業柄敵が多いのも事実。じっと我慢して受け止めることでしょう。自国の国民を救助することは正しいと誰もがわかっていることです。それを曲げるような批判をする政治家の発言で国民が判断を誤らないか心配です。

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